設計室をワンフロアにすることで、社員が働きやすく協力できる環境へ。
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									  代表取締役社長 / 武部 幸紀 様 
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									  2F 会議室 
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									  2F 会議室 
- Q .当時、社屋リニューアルをご検討していた経緯について教えていただけますでしょうか。
- A .当時の社屋は築50年を迎えており、また耐震基準を満たしておらず老朽化していたため、リニューアルを検討していました。今から17年前、私が38歳の時に先代から社長を引き継いだのですが、基本的に弊社は借り入れをせず、自分の代で蓄えた内部留保でリニューアルすることを目標に考えていました。ようやく長い期間を経て、実現することができました。
 
 以前は設計室がワンフロアではなく、3Fと4Fに分かれていたので、社員同士との意思疎通が難しかったり、それぞれの仕事を把握しづらい環境に課題を感じていました。仕事の内容に応じて臨機応変に協力できる体制を平準化していくことが目標でしたので、今回の社屋リニューアルで設計室をワンフロアにする計画を立案しました。その結果、業務オペレーションの見える化だけではなく、仕事や日常会話などを通して、よりコミュニケーションを取りやすい環境になったと思います。
 
 以上のように、新たにワンフロアの設計室を設ける計画と併せて、社内プロジェクトメンバー(※1)には様々なことを検討してもらいました。例えば、エレベーターを設置したり、コクヨさんから複数種類の椅子をお借りして、社員が投票した中で一番人気の椅子を採用したりしました。社員からは様々な意見がありましたが、結果的にはワンフロアにして良かったという意見をもらうことができました。私は社員全員に働きやすい環境を提供したいという強い想いがありましたので、改めて社屋をリニューアルして良かったと感じています。
 
 ※1・・・社屋リニューアルに伴い、部会(チーム)で様々な意見やアイディアを反映しました。
コミュニケーションの闊達化により、生産性の向上をより推進。
業務効率を上げることで、社員により豊かさを還元。
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									  リフレッシュスペース 
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									  設計室 
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									  設計室 
- Q .社屋をリニューアルした後、どのような効果や反応がございましたか。
- A .現在は、2F会議室で必ず30分間のコミュニケーション時間を設けて義務化しています。それも仕事の一部と考えて、半ば強制的に行っていますよ(笑)。もちろん堅苦しくならないように、誕生日会やレクリエーション・ゲームを月に1~2回開催しています。時にはメーカー商品説明会や、当社のシステム部会(※2)によるMicrosoft Teamsの説明会なども行っています。このような取組みを通して、普段話す機会のない人同士がコミュニケーションを取ることで、仕事の進捗状況を可視化できたり、上司に気軽に相談することができる大切な時間になっています。コミュニケーションの闊達化により、業務の円滑化や生産性の向上にも繋がっています。
 
 また今回の社屋リニューアルに限らず、ノートパソコンの導入やWi-Fiネットワークの構築、Microsoft 365、BIMなど、DXについても決して流行だからといって進めているわけではなく、あくまで業務効率や生産性を向上していくための大切な取組みの一環だと思って推進しています。これらの革新的なデジタル技術と、オフィス空間のワークスタイルを融合し、ハイブリッドで生産性を向上していく取組みが、現代に求められている働き方改革なのだと思います。そして私は、社員の給与を今よりも上げるなど、常に社員に豊かさを還元していくことを念頭に置きながら、今後も業務効率や生産性を向上できる仕組みがあれば、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
 
 ※2・・・システム部会とは、 Microsoft 365やBIMなど、社内ICT環境を推進しているチームです。
BIM技術を活用し、チームで仕事を共有・可視化することでスキルを平準化。
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									  エントランス 
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									  総務スペース 
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									  打合せコーナー 
- Q .社屋リニューアルで活用したBIMは、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。
- A .今回活用したBIM(※3)は2014年に導入したのですが、生産性が非常に高いです。当時はトップダウンで進めていたこともあり、社員全員が今まで使用していた2次元のJWCADを、半ば強制的にアンインストールさせていました(笑)。最初は反発する社員も数名おりましたが、これからの先を見据えて、新しい取組みを若い社員ばかりに任せっきりにすることは良くないと判断し、推進してきました。ちなみにMicrosoft 365を導入した際も同様に、最初は様々な意見が出ていましたが、最終的には全員問題なく使用することができました。
 
 BIMはモデルを作成することで図面になるため、間違いが発生しにくいのが特徴です。併せてチームワーク(※4)を活用することで、BIMのサーバー内にあるデータをクラウド上で複数人が共有して作り上げることもできています。従来のように、一人がひたすら図面を書いて苦労するのではなく、みんなで協力して一つの仕事を共有し、可視化することで効率化できるようにしています。これからは、今まで私が全てやっていたことを少しずつ社員に引き継いでいくことで、全員がBIMを使いこなせるように平準化していくことを願っています。
 
 ※3・・・BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、建築物をコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計・施工・維持管理に関する情報を一元化して活用する手法のことです。従来までの、2次元の図面で設計されたのちに3Dで作成する3D CADとは違い、最初から3D空間で設計を行います。
 
 ※4・・・Archicadのチームワーク機能を活用することで、BIMデータをリアルタイムに場所を問わず、同時に編集や共有することができます。
これからの新しい世代に適応した働きやすい環境へ。
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									  社長室 兼 応接室 
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									  役員室 
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									  相談役室 
- Q .最後に、社屋リニューアルを検討している企業へのアドバイスなどがあればお願いいたします。
- A .これからの若い世代に働きやすい環境を提供したいという想いが強いのであれば、今すぐにでもリニューアルするべきだと思います。内部留保を社員に還元していくのはもちろん、働きやすい環境は社員にとって絶対必要だと思います。
 
 今回の社屋リニューアルを進めていくうえで、三城の齊藤さんが客観的な備品の選定や判断をしてくれたのは助かりました。自分たちだけでは把握できなかった部分もありますし、当社のシステム部会とも様々なやり取りをしてくれて、当社が求めていることに対してフットワーク良く対応してくれました。ノートパソコンを入れ替えた時期でもありましたが、その時にWi-Fi環境も併せて提案していただいたのは大きかったですね。三城の齊藤さんは、当社の先代の時代から長いお付き合いがありましたし、当社の最適なオフィスの姿を良く理解してくれていますので、私としても安心して提案を受け入れることができたのだと思います。

 
			 
					 
											